2025年03月26日
着物 100%を目指しすぎない
【100%を目指しすぎない】
世の中には、たくさんの美しい着物が浮遊している。買ったひとは元のお値段を考えると処分できず、引き継いだ方は着ない財産に途方にくれる。
その一部が、うちのような芝居をしたりお茶をしたりのところに「使ってね」と流れてきて、できる限り使うことで着物の人生を全うしてやりたいと思うのだが、
着物は買うときの値段にばかり目がいくけど、「#保全して使うほうかずっと大変 なことに気づいて欲しいんだよ」は、いただくもの皆が思うこと。
着物に惚れて買い、最初は呉服屋さんのサービスで着せてもらい、それで着付を覚えたひとは着物生活にはいれるが、
自分で自由に着られないままになったひとは、結局、箪笥に着物を眠らせてしまい、着てくれる子がいれば良かった良かったと差し上げる。
いただいた方は、最初は嬉しいけれど、着るたびに美容室のお世話になるうちに、着物って大変…と、また着物は箪笥のなかに…。
#盆点前ガールズ にも、そういうサイクルに巻き込まれる子はいる。
#茶室る庵のお稽古 のときは、うちの着物をとりあえず自分で着てみて、最後は私が直して茶の稽古に入るを繰り返しているので、着られるようになった子もいるが、なかなか着られない子もいる。
なんで着られないのか、わからないんだよ。#何につまずいているんだろう?
#着物が仕事着 でもあり、着付けに時間をかけられない邦楽家の園代先生や公楽女将に、どうやって着ている?と相談すると、
ふたりとも、美容室で仕上げてもらうような100%ではなく、#自分の仕事や暮らしに合った方法で着物を扱っていた。
100%を目指しすぎないひとは、半襟のつけかえや帯結び、身に合わないときの解決方法など、実際によく着ることで得た策を知っている。
なるほど、なるほど。
中途半端な茶人が一番めんどくさいように、自分で最後まで着られないのに、呉服屋さんで聞きかじったことを着物初心者に投げるひとが、一番やっかい。
まずは、自分で最後まで着られるようになってからご助言くださいまし。
私がまず目指すのは、自分のことは自分でできる子を増やすこと。
ゆくゆくは、保全までできて、うちに流れてきた着物をチャチャっと当たり前に着てくれるようになること。
私は、肉肉しい身を枯らさせて、晩年の沢村貞子さんみたいにゆるっと着物を着ること。なかなか枯れないけどな(笑)

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