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2021年12月05日

河井寛次郎記念館 楽在其中


2021.12.3 京都五条の河井寛次郎記念館にいったときのことを、ぼちぼちと。



【楽在其中】

河井寛次郎記念館の床に掛けていた「楽在其中」。



#河井寛次郎 のお嬢さんである須也子さんの結婚祝いに、#柳宗悦 が贈った、中国泰山の石碑の拓本(石摺り)。

貧しい暮らしであっても、楽しみはその中にあるってことだが、ディケンズの #クリスマスキャロル の中にも、これと同じ話はでてくる。

人間は、もっともっとと思う欲深いイキモノだ。欲望に振り回されると、結局は物事の真実が見えなくなる。

これをみつつ #正岡子規 のことを思った。

正岡子規といえば脊椎カリエスで病床についている病弱なイメージの写真。

それを見て、貧しかったと思うひとがいるようだが、あの頃、すでに子規は名声を得て、たくさんの弟子が全国にいたのでもう貧しくはなかった。

彼の欲望は食だ。

小さい頃から身体が弱く、食べることで健康を手に入れようとしていたのかもしれないが、とにかく食べた。

ご飯もお菓子も果物も、病人とは思えない量を食べ、結果的に病気はますます重くなり35歳という若さでなくなる。

子規の明治34年9月の日記にあったある日の食事。

【朝】粥四椀、ハゼノ佃煮、梅干
【昼】粥四椀、鰹ノサシミ一人前、南瓜一皿、茄子一皿
【二時過】牛乳ココア入一合、煎餅、菓子パン十個
【夕】奈良茶飯四椀、ナマリ節、茄子一皿
【食後】梨:昼二ツ、夕一ツ

親友でもあった漱石同様、甘い物には目がなく、この中でも「菓子パン10個」とある。

子規の俳句にもよく出てくる好物の柿はいっぺんに10個以上食べた。



ちなみに、修行僧のような締りのある顔と身体をもつ河井寛次郎は、全ての冠を断り、亡くなる直前まで創作活動を続け76歳で亡くなっている。




■孔子は言った。食べ物は粗末なもの、飲むものは水、そして肱枕で寝るような極貧の生活の中にも、楽しみはある。
粗末な飯を食い、水を飲み、腕を曲げて、枕代りとするような貧乏暮らしの中に在っても、道に志すほんとうの楽しみは、おのずからその中にも自然に在るものである。

子曰。飯疏食飮水。曲肱而枕之。樂亦在其中矣。不義而富且貴。於我如浮雲。

子いわく、疏食そしを飯くらい水みずを飲のみ、肱ひじを曲まげて之これを枕まくらとす。楽たのしみ亦また其その中うちに在あり。不義ふぎにして富とみ且かつ貴たっときは、我われに於おいて浮雲ふうんの如ごとし。


  
Posted by るいまま at 22:21Comments(0)京都河井寛次郎記念館