2022年11月05日
秋の土用はあなどれん
【秋の土用はあなどれん】
ほんとは今日、県外に芝居を観にいく予定だったんだが、どうもざわざわするし、稽古もあるのでキャンセルした話は、以前書いた。
ところが、稽古が急になくなり、ひさびさのオフになったので、ざわざわは気のせいだったなと、RGGのギャラリー展に行っていろんなひとに会いエヘラエヘラ楽しくやったりして帰ってきて、
明日の打ち上げのおでんでも作るかと、卵をゆではじめたところに、北署から電話。

タクシーに乗った老人90(母)を運転手さんが北署に連れてきてくれたとのこと。
おお! とうとうきたか!
卵は中途半端ながら、一旦火をとめ北署に迎えにいくと、コーヒー牛乳を飲みながら、若いおまわりさんと談笑する婆さんひとり。
話を聞いていると、coopまで歩いて買い物にいき、買い物も普通にして、歩くのがちょっとしんどかったのでcoop前からタクシーに乗り、家の前まで帰ってきてたらしい。
ただ、視力が落ち、あんまり見えてないから目標物を何回もいい、運転手さんと話が噛み合わず、北署にきたそう(本人談)
運転手さんは、おかしいと思ったところでメーターまで止めてくださっていたそうで、ありがとうございます。
まわりが心配してくれてんのに
新しいもん好きの本人としては、はじめての警察にちょっと喜んでいるふしがあり、
る「ママ、歩いて帰れんほどしんどいのに、なんでcoopいったん?」
母「しんどいときは、お出かけしたらスっとするかと思たんじゃわ。ここは明るいから ええな(笑)」
る「おい!」
なぜ私の連絡先がわかったんですか? と、警察のひとに聞くと、自分の老人手帳の緊急連絡先に、ちゃっかり私の名前と電話番号をかいていて、ここに連絡してと言ったそう。
いやいやどうもお世話になりましたと、平謝りしながら身柄引受書を書いて引きとってきた。
る「ママな、やっぱりちょっと変なよ。木曜日も、たくさんひとが来てるって言うてきたやんか。茶室にはひとがきてたけど、ママのところには来てないやん」
母「そうなん?」
る「そやで」
母「ゆうべ、ひろしさん(私の夫)が来てな、そこに座るから、ご飯出さんわけにいかんやん」
る「ひろしくん来てないよ。ご飯も食べてない」
母「ええ! ほな、あれ誰な?」
る「しらんがな」
母「私な、お風呂はいろうおもたら誰かおるからはいれんで困ってるんやで。みんな、次々くるのに黙ってなんちゃ言わんし。気持ちわるいやろ」
る「ほんまやな、気持ち悪いな。でもな、その人ら 見えてんのママだけなんよ」
二人でゆっくり話していると正気にもどり、自分が変なことに気づく。
母「やっぱり変なな」
る「そやな。入院する前も、変なものが見えてたやん。あのときは腹水がすごく溜まってたやん。水ぬいたら普通にもどったよ。いまも、顔が腫れてる日に、いろいろお友だちがきてるみたいよ」
母「そうか…。そう言われたら、顔のこの辺がぶよぶよしたら、モヤモヤするんや」
1時間も話していると、だんだん調子をもどし、ノンストップトークがはじまる。記憶は鮮明になり、今日coopの何が安かったの、こんなひとが来てて何してたの、口から先にうまれた七赤金星中の七赤金星は、話をおもしろくふくらませて言う技は天才的(笑)
話している途中で、
母「いま、階段 だれか降りたな?」
る「聞こえたんならママのお友だちじゃわ」
母「そうな。あんたがいたら聞こえても不安にならんのやけど、ひとりやったら、どうしようと焦るんや」
る「ママな、もうお婆さんなんやから、そなに お客さんのお世話せんでええのよ。お風呂も銭湯やと思ってはいったらよろし。だいたいうちのお風呂やのに、何の遠慮がいるんよ」
友だちが相次いで亡くなったり施設にはいったりして、長電話もできなくなったこと、
ポンコツな兄が入院して、圧倒的に家事量や責任が減ったことで、空の巣のような状態になってるんだなぁ。
賑やかな所が大好きで、友だちの家にいったら帰ってきやしない話好きの、お節介女だったから、見えないお友だちは、寂しくなった現実を埋めるひとびとかもなぁ。
やっぱり県外に行ってなくてよかった。ざわざわは、気のせいじゃなかったんだな。
あなどれんな、秋の土用。はよ明けて欲しい!
とりあえず、おでんは煮えた

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