2025年05月23日
ひさびさ 映画「あん」を観たくなった。
ひさびさに、映画「あん」をみたくなり、アマプラ。

【店長さん楽しかったです 映画「あん」雑感】
あわてては焦げてしまう。丁寧に扱わなくては嫌なあくがのこってしまう。
#あんは難しいんですよ。
個性をもがれ大量生産されたものが幅をきかせる世の中。それは違うと文句をいいながらも、その渦のなかにいるひとのほうがはるかに多い。
自分だってそうだ。
でも、そこにある微かな後ろめたに気づいたひとは、たぶん再びの力を持つことができる。
親を亡くした子と、子をとりあげられた親は、引き寄せられるように出会い、焦げないように、いやなあくが残らないように、少しずつ少しずつ心を開き、小さなしあわせを見つける。
ほんの短い時間。やりたくても出来なかった人生をとりもどせた徳江さんは、療養所を訪ねた仙太郎に、
#店長さん楽しかったです。
と顔をくしゃくしゃにして笑い、礼を言った。
ひとをひととして扱わない人権を無視した国策や、真実に耳を傾けず風評に踊らされ、重ねて風評を撒き散らす偏見によって奪われる人生を描くことは、ほんとに難しい。
ドリアン助川原作、河瀨直美監督の映画「あん」は、神秘のものに心寄せる癖はあっても、決して思想くさくまとめていなかったことに心うつ。
悲しくても、くやしくても、辛くても、苦しくても、しあわせの時間がゼロだったわけではない。
どんな環境下にあっても、自身で小さなしあわせを見つけるひとたちの強さが、そこには間違いなくあった。
映画「あん」の徳江さんを演じる #樹木希林 は、まるでドキュメンタリーをみているような圧巻であったが、私は徳江さんとともに療養所でお菓子を作っていた佳子ちゃんの #市原悦子 の美しさにも救われた。
ドロップアウトした自分を諦め、流されていた仙太郎を演じる #永瀬正敏 の荒んだ表情が、花見会場の片隅に鉄板と徳江さん直伝のあんだけの露店をたて、
#どら焼きいかがですか
と、大きな声で呼び込んだとき、清々しく凛々しい表情になっていたことも。
どこで生きるかよりも、いかに生きるか。
確かに生きたひとが育んだ種は、必ず次の根となり花となり実となっていくのだ。




では、朝ごはん。

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