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2018年02月26日

狂人日記 おりるわけにはいかない




【狂人日記 おりるわけにはいかない】

インフルエンザやらなんやらで、1週間遅れの五色台詣で。山は、まだ立ち枯れのように見えるが、まちがいなく春が来ている。

この一週間、40度近い熱がでていようが、咳き込んでいようが、脂汗をかいていようが関係なく、毎日やってくる老人の「まだ、いってやってくれんの」「すごく困ってるっていいよる」「おこずかいがないっていいよる」に、熱がますますでそうな日々だった(笑)。

子どものころ、私が学校に行ってないことにも気づかないほど息子一筋だった母親は、もはや狂人のことしか喋らない老人となり、狂人と老人は一緒にいると傷つけあうのに、離れるとますます異常な執着をみせる。

「あんたは大丈夫なのか?」の一言もかけられないまま、老人にたくされた山盛りのお菓子を狂人のもとに運び、施設と病院に支払いを済ませ、ふと、父のことを思った。

父が61で亡くなった頃、兄は病院を出たり入ったりしながらも社会でなんとか生きていた。私は、まだうんと若く、自分の家族と暮らしており、父が脳腫瘍で入院する病院に通っていた。

ある日、病床の父が「お母さんでは無理だ」と言った。もう意識も朦朧としており、つぶやくような言葉で、その意味をあのときの私はすぐに汲み取れなかったが、いまならわかる。

「母親の愛は深く果てしない」しかし、深すぎる愛はときには罪だ。

父が亡くなってしまうと、母は兄を病院には一切入れず手のなかで育て続けた。母は病院でよくなるとは思えないと言っていたが、状況は良くない方向に向かうばかりだった。

今、私は狂人と老人にとって邪魔ものでしかない。狂人や老人の見え透いた嘘に乗っていかない冷たさや頑固さを、二人になじられることもある。

生まれたときから私は邪魔ものだったのかもしれない。私が生まれて来なければ、彼らの楽しい時間は続いたのかもしれないのに。いっそ、私がいなくなったほうがいいんじゃないかとも思うが、それは言ってもせんないことだ。

今日は、いろいろ弱気になる要因が重なったせいか、病院からの帰り道、あのひとたちより先に死ねばどうなるだろうと考えてしまった。

突然、後ろのトラックが大きくクラクションを鳴らした。スピードがおかしかったわけでも、進路妨害をしたわけでもないのに!と思いながら減速しトラックに道を譲ると、それはまちがいなく父が設計したトラックだった。

「お母さんでは無理だ」

いろんな形で父は伝える。そうだな。お父さんからバトンを受けたこの役を降りれば、この二人はまた迷走を始める。

だから、まだ、死にはしない。

※ 誰かがすごく美味いと書いてた某タウンの中のたこ焼き。むちゃくちゃ胸焼けした。どこが美味しいんだろ(笑) 味覚は、それぞれね。

狂人日記 おりるわけにはいかない





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