2021年02月11日
憎しむ心を煽られないようにね。
2/11 goodmorning
【憎しむ心を煽られないようにね】
昨夜、ギタリストの #西垣正信 さんが、「バッハBWV995のサラバンド」の解説と演奏をyoutubeにアップしたとpostされていたので聴く。
https://youtu.be/CnH2hffbbyo
「たった20小節、和歌ほどの長さながら、宇宙人バッハの電報」との言葉は、聴く前からワクワクする。
この演奏と解説は若いひと(子どもたち)にむけているようで、私のような無学なものも捨て置かないようにとずいぶん噛み砕いて話されている。
奏法の解説はわからずとも、途中に挟まれるお話に、これをyoutubeで、寝る前のひとときに聞けるとは、おうち生活もいいじゃないかと思わせる。
さて、宇宙人バッハのサラバンド。
この世ではない世界に連れて行かれるような不思議な交信だ。
まるで時代は違うけれど、サティのヴェクサシオンを初めて聴いたときのような感覚に、2年前、音楽と言葉「夢十夜 百年の恋」の脚本を書いているときに聴いていれば、間違いなく候補曲にいれていたと思う。
西垣さんは、この音楽の解説で
「前の世界の最後のひとが次の世界を予言して 次の世界のひとがそれに縛られ また最後の拍で次の世界を予言する」
と話された。
あぁ、正に漱石の「夢十夜」ではないか。
夢十夜は難解すぎて伝えにくいもので、なぜいま夢十夜を選んだの?と聞かれたが、あの直後、世界は予期せぬ世界に引きずり込まれた。
私は、天から何か降りてくる作家ではないが、手に取る本で先人からの手紙は受け取る。
だから、なるべくその手紙をまっすぐ伝えたいと思いながら脚本を書く。
西垣さんの奏法の解説はギタリストの卵たちには心に刺さることなのだと思うが、私は奏法の解説のなかで言われた、
「作法を無視するとバッハにきこえない」
に、強くうなずく。
バッハのあと、なにかタイプの違うものを聴いてから寝ようと、ファリアの「火祭の踊り」を選ぶ。
https://youtu.be/BYnM_EFQ0zk
タイトルを見るからに寝る前の曲ではなさそうだが、私は癒やし系という音楽が苦手で、こんなふわふわしたものに癒やされないぞとかえって肩に力が入る天の邪鬼なのだ(笑)
「火祭の踊り」は、ジプシーの叫びのようにも聴こえるが、激しいだけでない心に染み入る哀しみのような音が西垣さんの長い指で奏でられる。
音楽家が酔っぱらい恋とか愛とか語るとき、よく話すのですがと前置きがあり、「神様は二つの心をひとにあたえた。ひとを憎しむ心を煽るのは権力者で、愛する心を煽るのは音楽家だ」と言われた。
憎しむ心を煽られないようにね。
では、#朝の珈琲。

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