2021年11月10日
自分のやりたいことをブレずに貫く
【自分のやりたいことをブレずに貫く】
11/10 goodmorning
私は、若者を心配がるおとなを見るたび、私たちの世代のほうがよほど危ういと思っている。
「トレンドに右往左往する張りぼての商売はおもしろくない。僕は老舗になりたいと思った」と33歳の青年は言った。
「今、一番かっこいいこと、おしゃれなことは、2、3年たてば古いもの時代遅れなものになる。
それよりも、ずっとそこにあったもの普遍的なものを目指す。
古きを知り新しきを作る、
誰かがやったものなら自分がやっても仕方ない。トレンドなどに左右されない、自分が作りたい店を作りたいのだ」と話す姿には、
すこしもギラギラしたところは見えず、昭和の頃であれば「なにを考えているのかわからない」と一蹴されたのであろうタイプだ。
実際、最初に就職した会社では社会不適合者のような扱いをうけたようだ。
彼の話の中に、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」という言葉がでてきた。
明治19年生まれの谷崎が昭和8年・47歳のときに発表した「陰翳礼讃」は、まだ電灯も整わない日本の美しさを伝える随筆集だ。
33歳の青年はその世界をおもしろがり、こういう世界に憧れると言う。
彼のおじいちゃんやおばあちゃんでもすでに昭和生まれだろうし、谷崎が描く明治の日本を知るひとが身近にはいないと思う。
だからこそ、憧れるのか、それとも日本は登りきった歪な国に踊らされる時代を終え、ようやく冷静になってきたのか。
仕事である以上赤字はだしてはいけない。だから、自己資金でまかなえるところから始めローリスク・ハイリターンを目指す。
それは工夫次第でできることだし、その方法なら、もし失敗しても店をたためばいいという覚悟で店作りはやっていると話し、娘が起業するときも同じことを言ったなと思い出した。
彼らは、成功者として派手な称賛をもとめているわけではない。自分のやりたいことをブレずに貫く。振り向けば成功している程度のことで、派手さを求めることでやりたいことがブレることを嫌う。
何代も続いた老舗が焦って妙な方向に走ってしまい失敗する例は多いが、その真逆を令和の若い社長たちは歩む。
安かろう多かろう悪かろうではなく、きちんと洗濯をし古き良き文化を伝えられるものだけを置く古着屋からはじめ、
昭和の力を持った母親の個性を活かす店をつくり彼女に任せ、
老舗をコンセプトにした和菓子屋をつくり59店舗を全国展開してきた。
「今でも店を作るたびに自分が監修し、設計士を選び、違う内装で店を作っています。チェーン店のほうが楽だろうけど味気ないじゃないですか。インディーズ感をのこしたままメジャーになりたいんです」
彼は、少子高齢化の日本にあって、美しき良き日本のブランドを下げ海外に持っていける最後の世代だと思っていると結んだ。
■街録 街頭インタビュー「あなたの人生を教えてください」
弁才天社長 大野淳平
https://www.youtube.com/watch?v=Za4HR4KGdh4
清々しい思いで、朝の珈琲を飲む。

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