2025年03月17日
映画「#目の見えない白鳥さんアートを見にいく」
【作品を見るということ】
映画「#目の見えない白鳥さんアートを見にいく」は、全盲でありながら、年に何十回も美術館に通う #白鳥健二 さんの物語。
ドキュメンタリーという物々しさがないのは、白鳥さんが極々普通の感覚で歩き暮らしていて、
むしろ、白鳥さんの鑑賞バディであるマイティや、この映画の監督もつとめた、作家のあっちゃん(川内有緒さん)のほうが、白鳥さんに美術館に連れて行ってもらった子どものようだからだ。
全盲の方が、どうやって絵を観る?というのがどんな感覚であるか、私たちが完全に知ることなどはできない。むしろ、知ろうとすればするほど迷うし、わかったなんて言うのは不遜だ。
白鳥さんは姿勢がいい。背も高く、遠く向こうまで見渡せる雰囲気を持つ。
猪苗代の美術館で、白鳥さんが存在する白鳥さんの部屋の展示という企画があって、目の見えるひとが難儀する迷路のようなゲームを白鳥さんが難なくこなし、「へー!すごい!」と言われたとき、「何でもできますよ、時間はかかるけど」と白鳥さんは笑った。
たぶん、私たちは、目が見えないとさぞかし不自由であろうと先に思うが、不自由なのはそこに達する前に諦めてしまう私たちかもしれない。
白鳥さんの美術鑑賞の方法は、一緒に出かけたひとと作品の前に立ち、白鳥さんの「#なにが見えるか教えてください」で始まる。
最初は、白鳥さんにいろいろ伝えようと説明的な言葉が続くが、白鳥さんが否定せず受け入れてくれることがわかると、自由に言葉は出始め #同行者のほうが心が解放されていく のがわかる。
最高の鑑賞会だな。
映画会のあと、川内さん三好さんのダブル監督のトークショーがあり、それを聞けばもっと深く知れたかもしれないのだが、私は映画だけでおいとませねばならず、
映画会の会場だった高松市美術館の外で、
美術館で楽しみすぎては見張りのお姉さんに「お静かに」と叱られる仲間(どんな仲間や?笑)の茶人と会い、
私たちこそが、白鳥さんと美術館に行けばいいんですよね!と話すと、僕もそれを一番に思ったと茶人(笑)
川内さんのお話では、こうした自由な鑑賞感想を語り合うことを許す美術館も増えているとのことで、
同じ作品を同じ環境でみたとしても、その感じ方で作品の深まりは変わり、美術館が楽しい時間になるかも。
同名の川内さんの著書を買ったので、これを読んだら、また感想を書きます。

今日は女将ごはん亭のお雛まつり。茶室の掃除にまいる。
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