2021年06月25日
岡潔 成熟は早すぎるより遅いほうがいい
6/25 goodmorning 【岡潔】
「成熟は早すぎるより遅いほうがいい。動物的に勝つための方法を他人よりもたくさん覚え、早く成長させることの危険性」を憂いたのは、
天才とよばれた数学者 岡潔だ。
人間はじっくりと時間をかけ成熟させること。学問は頭だけでなく情緒による。今日の情緒が明日の学問をつくる。
詰め込むばかりの社会に対し、岡潔が危ないと感じ「春宵十話」を書いたのは1963年。
世の中が超スピードで変化していた時だ。
最近、その頃(自分が生まれた頃)のやたら元気な日本映画をみてて感じるのは、古きものをぶっ潰す、持てるものこそ成功者、流行から取り残されるなといった流れ。
もはや貧しい日本ではないのだとばかりに繰り返されるヒーローの言葉に、国中が乗っていったんだろうな。
情報やスピードに流され、直感や情緒を失った人間は、誰と付き合えば得かと打算的な人間関係ばかり選ぶようになる。
生きるための動物的本能だけではなく、哀れみや同調でもなく、ひとの悲しみが自分のものとして理解できるひとを育てなくてはいけないと、岡潔は言う。
「でなければ、自分を無くし、人にすがりつくしかできなくなる」
半世紀が過ぎ、岡潔が憂いたことは、現実として日常茶飯に起きている。
私は、ほんとに精神的成熟の遅い人間で、今頃、岡潔ではあるが、岡先生の言葉に救われる(笑)
岡潔×小林秀雄の対談集「人間の建設」をポチッとやりながら、朝の珈琲。

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