2023年11月06日
薬指は水を司る
【空手水】
以前、官休庵の若宗匠がガラスの茶室「聞鳥庵」で建築家の杉本博司に薄茶点前をされたとき、
茶碗に茶をはくまえに一度手を合わせるような仕草をされていて、あれはどういう意味を持つのだろうと、誰かに聞こうと思っている間に時間がたってしまったが、
昨日から、ちょこちょこ見ている遠州流茶道の盆点前でも茶をはくまえに手を合わせる動作がはいり、調べてみると「空手水」という動きだそう。

手の指は親指から順番に「空風火水地」と呼ばれ、水を司る薬指をすり合わせることで水を呼び起こし、茶を立てる前に手を清めるという意味らしい。

私が子どものころ躾けられた茶も、頭を下げるときに真行草などはなく指先をつけるだけだったと記憶しているんだが、武家はやっぱりそうらしく遠州流も指先だけをつけて入室のご挨拶をしていた。
盆の中の世界は、他の流派とそんなに大きくかわらないけれど、武家には武家の意味があるはず。

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。