2013年11月01日
所幸則「秘密の写真展 本 当は秘密の写真家の目」 at 想創


本日11/1から始まった、所幸則「秘密の写真展 本 当は秘密の写真家の目」 at 東ハゼcafe想創のギャラリー
本日はアーティストトークがあるよと所さんに声をかけていただいたので、たっぷり鑑賞。
所幸則の2013年春から現在までの作品20数点が、ゆるやかなテーマで並ぶ。
所さんの自宅の窓から見える風景、割れた窓ガラス、偶然が生み出した瞬間に現れた友人。
ごくごく普通の生活、私たちの回りにも当たり前にある光と影。
見逃してしまいそうなものを、所幸則は即時に読み取り、写真の中に閉じ込める。
そこには、さまざまなストーリーが浮かび上がってくる。
近くに寄って見えてくるもの、遠くにあって確認できるもの。こうして説明いただくと、写真の力を、より一層感じることができた。
階段をのぼってすぐの小品は、コシノヒロコのドレスを瞬間ではなく一秒でつかまえるワンセコンドで撮影したもの。
赤い靴が目に飛び込む作品は岡山駅のホームだときくが、どこか異国の道のようにもおもえる。
瞬間を撮るために、ポケットにはいつも世界一高性能の小さなカメラがはいっていて、この作品も、それで撮った。
しかし、ただ、そのカメラで撮るだけでは、こんな印象的な写真にはならないだろう。
「自分のまわりに好きなものだけを置くんですよ。
コップひとつにしても、このカットがいいと想うものを買う。
気をつかいつつ揃えるってことです」
自宅の窓辺のショットは、まるでヨーロッパのようであり、
窓の外もフランスの町並みではと一瞬思う。
金色に光るフレームとアンティークの置物が、独特の世界をつくる。
これも、ひとつひとつ、こだわりをもって暮らすゆえのこと。
「身近なところに美はある。香川はこんな素敵な場所だよ」
と、知らせたいのだと、所さんはいう。
世界を駆け巡り、多くの美を見続けてきた、所幸則の目がみつける香川。
単なる観光写真や記録写真やグラビア写真ではない、強い力を発する写真を見てみたい。
この高松でのゆるやかな個展は、11/30まで。
11/14からニューヨーク。
11/25から東京都展。ここでは、新しいシリーズの1ページ目が見られる。
高松と東京、ふたつの拠点をもったアーティストは、休むことなく、時間を切り取っていく。
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