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2023年01月30日

72歳の狂人もいる現実



【兄もいるからな…】

1/30 腹ペコ昼ごはん

狂人70(兄)が発病したのが、私が12歳のとき。私の不眠症も、その頃から始まった。

兄は、子どもの頃、とてもおとなしいひとだったのに、ある日、凶暴な別人になって帰ってきた。

兄と部屋が隣合っていた私は、夜中になると暴れだす兄にいつも怯えていた。

最初の頃は、兄も正気と狂気を行き来していたから、家族を困らせる自分の病に苦しみ、自ら存在を消したいと思うこともあったようだが、

いつからか、働かぬ王様は、当たり前のようにわがままを繰り返すようになる。

私の不眠症は、ますます頑固になり、その上、思春期特有の、狂人がいるなんてことは誰にも言ってはならない、知られてはならないと、私自身もひきこもりの道に引っ張ってしまった。

18になって進学を理由に家をでて、やっと自由に呼吸できる暮しを得て、家とは離れた街で暮らすことを選んだ矢先、家族のお迎えが来て、家に戻ることになった。

拉致されたわけではない。車を準備して迎えにきた両親に、帰らないと言えなかったのは、

たぶん、私のなかに、私が帰らないといけないのだ、私も兄を守らないといけないのだという幼い正義感があったからだ。

結局、そんな思いも荒れ狂う兄をみたら、なんて馬鹿な選択をしたのだと崩れ去る。

何回実家を出ても、やっぱり帰らないといけないと思うことは周期的にやって来る。父も母も、娘を大事にしてくれたし、いろんなことを助けてくれた。兄が入院している間は、穏やかに楽しい日々もたくさんあった。

けれど、父が亡くなると、母は兄を病院から出して抱え込み、自分ひとりで世話をするようになる。

小さい子どもを育てるように、食事をとらせ、風呂にいれ、薬の管理をし、いつも叱り続けていた。

私は実家で食事をしたことが、あまりない。母は、父が亡くなったあと、兄と母の食卓に私がいることをヨシとしなかったからだ。

母が後期高齢者と言われる頃から、私は実家の隣に事務所を構え仕事をしているが、やっぱり真夜中、兄は荒れ狂う。

不眠症だとは思わず、寝ずとも動けるショートスリーパーだと信じていたけど、兄が入院し7年、母が入院して1年、最近ようやく続けて眠れるようになり、寝るとこんなに心身が楽なのだと実感した。

眠れない苦しさは、眠れない人にしかわからない。

眠ることで、人間は脳を整理しているのだ。眠らなければ、脳はずっと動き続け、いつかパンクすると言われるたび、寝なくては寝なくてはと思っていたが、

結局のところ、眠りは環境だ。

いくらだって眠れるひとは、しあわせな環境にいるんだよ。

母のことは、情報は集めるけど、負の方向に考えすぎないようにしようと心がけている。また、眠れなくなると、私が倒れてしまう。

老いた母を施設に入れるかどうかでも、これほど悩むのだ。母が、まだ年若い兄を退院させ手放せなかったのは、いつかまた良くなるんじゃないかという思いがあったのだろう。

現実的じゃないことに、希望をもってしまうのは、弱っているときだ。うちには92歳の老婆もいるが、72歳の狂人もいる現実をみないとな。

さて、昼ごはん。

72歳の狂人もいる現実






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