2015年10月30日
眠れぬ夜
早く寝てしまえばいいのに、ああだこうだと考えすぎ、脳の活動が止まらなくなって全く眠れなくなる夜はある。
そんなときは、古い友人にメールを書く。何処にも誰にも言えない心のうちを手紙にして送るのだ。
彼は40になって間もなく、たった一人で旅だった。妻も子どももいなかった彼のMixiやSkypeは、今も誰に閉じられることなくネットの中に生きている。
仕事の打ち合わせで大喧嘩したときのやり取りも、うちひしがれた私を不器用になだめる言葉も残されたままだ。
「るいままさん、いつ来ますか? また、ふぐ いきましょう」
年末になると、美味しいものをエサに必ず聞いてきた。普段は贅沢はしないから、るいままさんが来てくれたときだけは散財するんですよ、一緒に食べてくださいと、こちらに気を使わせないようにする細やかさに、いつも甘えていた。
彼の事務所の近くにあった蕎麦屋の天丼がむちゃくちゃ美味しかったことや、これ以上太ってはいけないコレステロール値をあげてはいけないと言われていたくせに、卵を10個も使っていそうなオムライスが大好きで、いつも笑いながら叱っていたことも思い出す。
「もう、40も後半なんやからね、オムライスやハンバーグばっかり食べずに、野菜たべなはれ。そんなことしてたから死んだんや」
と書いて、真夜中、喧嘩する相手がいないと寂しいやんかと続け、それは消した。
生きてなくちゃダメだ。生きていてくれなくちゃ、私はいったい誰に弱音を吐けばいいんだよ!
溢れる思いを吐き出すようにキーボードを叩く。
深い闇の中に放たれた弱虫の言葉は、きみのいる場所にちゃんと届いただろうか。
間もなく6年目の11月がくる。
Posted by るいまま at 12:01│Comments(0)
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