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2010年07月04日

繋がれた命を書き終えて。(和ごころ夢中きもの熱リポート)

塩江時遊び 7月ステージ 和ごころ夢中きもの熱「金子みすず その夏の物語」

無事終了し、ようやく、これを書いた理由を話せるときがきました。


繋がれた命を書き終えて。(和ごころ夢中きもの熱リポート)


人は、一人で生きていけるわけではないのだ。

ちいさな力が、少しずつの力が合わさって、なんとか生きているのだ。

その小さき力を忘れてはいけないのだ・・・


これは、私が小説を書き始めたときから今まで、ずっと貫いていることです。

るいまま組には、会則も決まりもないけど、あえていうなら、これがテーマです。




今回の作品を書き出す直前、私は身近なひとの二つの「死」に直面し、

それをどう受け止めればいいか悩み続けていました。




金子みすずは、今でこそ知らぬ人がいない偉大な詩人ですが、

昭和5年自ら命を断ち、それから50年、みすずそのものが封印されるように忘れ去られ、

昭和50年代後半、彼女の1編の詩「大漁」から、ひとつひとつ包みをほどくように

いろいろなことがわかり、「金子みすず」は私たちのもとに戻ってきました。



今回のテーマは、断たれた命ではなく、繋がれた命でした。

金子みすずを生んだ、母ミチは

みすずの残した子、房江をみすずから預かり育てます

房江は、ミチから、そしてみすずから受け継いだ命を

自身が娘を生み育てたとき知ります。


確かに、命は、いろんな形でいつか消えてゆきます。

生きたくても生きられなかった命もあり、自ら命を断つことなど言語道断だ!と言われれば

そのとおりです。

けれど、その人達の人生そのものが、そこで否定されるのはおかしい。

彼らは、精一杯、そこまでの人生を生きました。

そして、誰もが、そこまでに残した素晴らしき足跡があるのです




偶然ながら、前回の作品のモデルとなったタエさんも明治36年生まれ、みすずと同じ年です。

彼女は、明治・大正・昭和・平成と息抜き、80歳をこえてなお、さまざまな好奇心をもって

私にたくさんのことを教えてくれました。

彼女と一緒に作品をつくり、彼女が私に残してくれたことを私が伝える。

それが前回のテーマでもありました。



不思議なもので、小説は書き始めしばらくすると、その中の人々が自ら動き始めます。

ある夜、みすずさんと西条八十さんの下関駅とのシーンを書いているとき

傍らに置いていたみすずさんの写真から、強い視線を感じました。

それは強い強い視線で、私の両腕にはざざっと鳥肌がたちました。

繋がれた命を書き終えて。(和ごころ夢中きもの熱リポート)

あなたは、なにを掘り起こそうとしているのです

そんな風にも見えました。


結局、私は、そのシーンだけは、みすずさんではなく、金子みすずを演じる「みっけ」を頭に置き

書くことにしました。

常に懸命に生きている命の塊のような彼女を思うことで、下関駅のシーンはできたのです




会ったこともない、話したこともない人のことを、小説という形で書くのです

私の大いなる主観が、そこには存在します。

どれだけ資料を読もうとも、これは私の創作でしかないのです




けれど、その創作された作品は、単に私一人の主観だけではなく

もっともっと大きく育ってゆきました。




繋がれた命を書き終えて。(和ごころ夢中きもの熱リポート)繋がれた命を書き終えて。(和ごころ夢中きもの熱リポート)繋がれた命を書き終えて。(和ごころ夢中きもの熱リポート)

この作品を読み、自らの感性で新たなる命を吹きこんだ4人の女優たち





彼女たちを裏から支えたピアニストの強い思い



 繋がれた命を書き終えて。(和ごころ夢中きもの熱リポート)

小説に涙しながら衣装を選び、装飾するものを考え、場面に立つ女優達の姿を整えた人たち

の技術と経験と豊かな感性は

作品を大きく大きく太らせました。




そして、それを見てくださったみなさんの心の中に宿ったさまざまな思いが

作品に、次なる命を与えてくださったのです。


繋がれた命を書き終えて。(和ごころ夢中きもの熱リポート)繋がれた命を書き終えて。(和ごころ夢中きもの熱リポート)




活字だけが文学だと思う人はまだ多く、

こうやって、活字を形あるものにつくっていくと

「ほんとに、きみは小説家なのか!」と、きかれます。

ええ、私は、妄想癖と虚言癖でできた小説家です。

けれど、孤独なる作業のあと、必ず幸せ者になれる小説家なのです。


繋がれた命を書き終えて。(和ごころ夢中きもの熱リポート)




塩江時遊び 「和ごころ夢中きもの熱」 金子みすず その夏の物語

作・語り   るいまま

う た    林里美(ソプラノ)

ピアノ    図子ふみ子

出 演    宮武洋絵 日下ゆう子 野村さちこ 林里美


衣装コーディネイト  桜ん慕工房

装飾制作   matsuyoi

ヘア着つけ  Luca Hair(香川県)


主催・会場  しおのえセカンドステージ



***************

それぞれの、和ごころ夢中きもの熱「金子みすず その夏の物語」

しっかり見ていただいて、ほんとにありがとう!



■となきち

http://tonakiti.ashita-sanuki.jp/e286163.html

 和ごころ夢中きもの熱 夏の宵  

http://tonakiti.ashita-sanuki.jp/e285018.html

 つもったゆき☆金子みすず 

http://tonakiti.ashita-sanuki.jp/e286297.html

 美・優・強! 


■春 みっち

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1529013107&owner_id=8064439

 和ごころ夢中きもの熱

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1529015108&owner_id=8064439

 ごちそうさまでした


■くりす

http://yumi1025.ashita-sanuki.jp/e286296.html

 余韻

http://yumi1025.ashita-sanuki.jp/e286157.html

 美人さん集合



■あっこっこ

http://akko.ashita-sanuki.jp/e286311.html

 艶! 



■ちっち

http://chicchi.ashita-sanuki.jp/e286256.html

 きもの熱な夜 







※ お写真は、となきち、くりす、あっこっこ、みっち、ちっち、ぴよ、Lindaから拝借しました。




【四国高松るいままyoutube】
http://ruimama.ashita-sanuki.jp/e1202617.html

【髙松まちかど漫遊帖】
まちかど漫遊帖オフィシャル  漫遊帖2023春コースリスト

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この記事へのコメント
着物はいいですね^^
Posted by ブログジー at 2010年07月04日 18:47
「小説は書き始めしばらくすると、その中の人々が自ら動き始めます。」

やはり、あなたは、稀有な才能をもつ一握りの希少な小説家だったのですね。

るいままの小説の愛読者を自称しながら、這ってでも塩江に行けなかった自分を悔いています。
Posted by マロン at 2010年07月04日 23:25
■ブログジー

ですね~


■マロン

ありがとうございます。この作品も、どこかで再演できるといいのだけど、なかなかねぇ(笑)
Posted by るいまま at 2010年07月06日 11:43
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繋がれた命を書き終えて。(和ごころ夢中きもの熱リポート)
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