2010年09月27日
海は何を思っているのだろう・・

男木島の火災のニュースの一報は、
昨日、豊島からかえって海辺のライブ「MUSIC BULE」を聴き
帰りによったアイリッシュパブでみていたTwitterの書き込みで知った。

芸術祭が始まる前、漫遊帖の男木島コースの構築に出かけたときに見た、港前の大きな建物と
昼食をお願いする「まどか」さんの一部が焼失したとあって、
男木島からの帰りの船をまっているとき出会った
「芸術祭がはじまったら、うまげになるけんの。また、きまいよ!」
と言ってくれた、おじさんたちの顔がうかんだ。
あのころは、まさか、整理券を配るほどの人が来るとも思っていなかっただろうし、
おじさんたちは、遠来の客がくることを楽しみにしていてくれた。
しかし、島の人として提言するペンペンのブログのとおり、こうしたことが起きてからではいけない心配は多々ある。
だから、よそものは島にはいかないというのも違うような気がするし
ここから考えていかなければいけないことがあるんだと思う。
昨日の豊島は、芸術祭へというのではなく
チャーター便で豊島甲生の港につき、そのまま片山邸の復活茶会にいって


チャーター便で帰るという予定だったのだけれど、
1時間だけ自由時間ができたので、邸のまわりを歩こうということになった。
たまたま、その日、はじめての「こえび隊」にでていたcageさんが
片山邸から100メートル以内の展示会場で受付ボランティアをしていて、遭遇。

cageさんは、島の静寂をくずさぬよう、でも楽しげに「こえび」を楽しんでいて
こえびたちが書いている、申し送りや、感想をみながら、興味深いと話してくれた。
一人で、お客さんを待ちながら、お客さんと出会いながら、感じることは多かったのだろう。。
cageさんの担当の場所から海にでたところに、キャメロン・ロビンスさんのシーオルガンがあった。

ほかの何をみずとも、これだけは見ておきたかったから
この偶然に、私たちは喜んだ。
シーオルガンは、パスポートに各自で判子を押すのだけれど
前の展示会場で会ったおじさんが、「ここでは、僕がこえび隊をするよ」と、
みんなの判子をおしたりして、和気藹々なムードだ。

のびやかに広がる空と海、そこにながれる「ぼ~」という海の声に、
「ぼくなぁ、絶対、瀬戸内芸術祭っていうならシーオルガンやと思うんや」
と、言ったみのさんの声が重なった。
海辺を歩き、坂を上ったところにあった会場では、3時から太鼓のライブがあるという。
会場の前には、バスが2台止まり、人がたくさん集まり始めていた。
そのライブのデモンストレーションがありますということだったけど
私たちは時間がないので、展示会場にはいり、建物のりっぱな梁を見あげて

アートもアートだけど、この複雑な梁に心奪われるねぇと話しながら外に出て
どこまでも鮮明に聞こえてくる太鼓の音に
「太鼓の音っていうのは、ものすごく届くんだね」と言いながら片山邸に向かった。
この音が、問題になったというのも、実はあとからtwittreで知る。
瀬戸内国際芸術祭がはじまったのが、7月20日。
その翌週から、石あかり月あかりライブが2か月にわたってはじまったので、
私たちにとって、芸術祭は近いところでおきる、遠いものだった。
遠いものながら、「まちを巻き込んでのロングラン企画」というのは
よそものが、牟礼にお邪魔して展開する、私たちと似た形態だから
気になる存在ではあった。
今年の夏は、ことさら暑く、石あかりとユニセフのコンサートが終わったら精も根も尽き果て、
いつもなら、ばたばたと次のことを始めるのだけれど
3日間、なんにも考えずに休んでしまった。
毎年、石あかりがはじまったら、深い眠りにつく日はない・・・
そうやって気遣っても、ぬかりはどんどんでてくる。
特に最後のほうは、睡眠不足が重なって思考もままならぬ状態になってくる。
そんなときが、一番あぶなくて、「もう、ええわ」と思うと、最終日のエンエン25分にわたる
予期せぬ歴史講座に、お客様逆鱗事件なんぞが起きてくる。
「あのおばちゃんのせいやん」と慰められても、
「そんなのは、絶対に、ダメです!」と、言い切れなかった私のぬかりだと思ってしまう。
それでも、やっぱり、6年続けてこれたのは、まちの人たちの「るいまま、楽しみにしよるで」の声だし
出演者の「石あかり月あかりライブに出られてうれしい」の声だ。
過酷な条件であればあるほど、言葉はなにより力になる。
石あかりロードが始まったころ、「むれ」を知っていただくために
いろんなところで「むれ」の話をした。「むれ」がどんなにすごいか話しまくった。
「おまえは、むれのこと、どんだけ知っとっていいよんや」と言われたこともあるし
「誰のまわしもんや」「誰の仲間や」と、呼び出されたこともある。
それでも、「ここが、好き。このまちが好き」という、ごくごく個人的で単純な思いが勝って
しんどいことを、しんどいしんどい言うより、笑って過ごせたらおもろいなと思っていた。
瀬戸内国際芸術祭2010は、あと1か月ほどとなった。
この芸術祭を支えるひとたち、(好む好まざるはあったとしても)迎え入れる島の人たち、
そして客人として島を訪れる人たち
それぞれの思いが活字で流れてくるたび
「そうだよな・・・」と、思う。
でも、それは、一向にまとまらない「そうだよな・・」だ。
たぶん、ここが一番大きな問題なんだよ。
そんな私たちをみて、海は、何を思っているのだろう・・
Posted by るいまま at 14:17│Comments(5)
│■るいまま
この記事へのコメント
良いことも悪いこともあるよ。賛否両論は前向きに捉えるしか無いよねとボクは思う。
Posted by ちゃがまる at 2010年09月27日 17:43
■ちゃがまる
そだね。
そだね。
Posted by るいまま
at 2010年09月27日 17:48

あそこからのお茶室にもどるとき、島のおばちゃんが出てきて「なんで太鼓がなりよんかとびっくりして出てきた」と、話かけられました。
コンサートみたいですよと答えのですが。
あの場は急に決まったのかもしれないけど、周りのおうちにチラシくらい配っていたらよかったのかもしれないのかなあと、今思ってます。
それは、私が今しているものすべてに言えることで、地域の人の理解は必要だと。
コンサートみたいですよと答えのですが。
あの場は急に決まったのかもしれないけど、周りのおうちにチラシくらい配っていたらよかったのかもしれないのかなあと、今思ってます。
それは、私が今しているものすべてに言えることで、地域の人の理解は必要だと。
Posted by ももいろどんぐり at 2010年09月27日 20:10
■ももどん
ご近所の人たち しらんかったんや…
ご近所の人たち しらんかったんや…
Posted by るいまま at 2010年09月28日 08:52
■ももどん
ご近所の人たち しらんかったんや…
ご近所の人たち しらんかったんや…
Posted by るいまま at 2010年09月28日 08:53
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