2017年09月24日
四国二期会オペラ「扇の的」2017.9.23
四国二期会公演「扇の的」at サンポート高松 大ホール 2017.9.23
一幕は二階席で全景見ておりましたが、休憩でオーケストラボックスの後ろまで降りてまいりました。
林里美の葵、二階席でも最前列でも変わらぬ響き。さすがのソプラノ! 表現力!
素晴らしいの一言に尽きます!
そして、和ものオペラでみせる彼女の所作の美しさも、立ち方、歩き方。これは、これからオペラの舞台に立たれる方の大いなる参考になるのでは。
和ものオペラは、歌うだけでも大変なのに、慣れない衣装ゆえに静と動をいかに美しく見せるかがキモ。
私たちも、いかに自然に演じくれるかを楽しみにしておるのですが、やはり靴ではない歩き方に慣れず苦労されていた方もいらっしゃいましたね。大変なのよね。
所作といえば、薦田先生の琵琶法師の存在感には脱帽いたしました!
合唱団と動く場面は、まるで法師によって魔法をかけられるような幻想溢れるシーンで、間近で見られて感激です。
二位の尼(時子)の渡辺りかは、 ソプラノでありながら、中音域まで響いていて 、正に二位の尼であるなと思わせる、染み入るような品よく深く強い声。
志乃の三木ユリの一歩ひいた演技は、林里美との当たり役 蝶々夫人とスズキを思い出しました。
舞台は、前に前にとですぎてもダメ、譲りすぎてもダメ、それぞれが自分の役柄を知り演じきってこそ、すべてが栄えます。
三木ユリというひとは、それを知っているひとだと、毎回、感じます。
義経は牛野亮介。姿よき美しい義経でございました。
今回の与一は、とても小柄だからか、常に胸をはり、天を仰ぐ感じ。
与一自身も小柄なひとで、気持ちを奮い立たせ扇の的にいどんだので、まさにこんな感じだったのでは。
ホールの舞台は全景をみたく、上の階からみることが多いのですが、
とてもシンプルな装置だったので、二幕から最前列に移ったことで、作者がつたえたかった 生きるために撃つが、よりよくわかり、
新しいオペラは何度もみることで発見があるんだなと実感。
決して簡単ではない内容。みなさま、よくぞ演じられた。お疲れさま。ありがとうございました。
今宵は、四国二期会のトップテノール若井健司の与一で、國方里佳の葵です。
Posted by るいまま at 11:49│Comments(0)
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