2020年02月16日
バウハウス ―造形教育の基礎― 観賞記録
高松市立美術館で開催中の
「開校100年 きたれ、バウハウス ―造形教育の基礎―」
の学芸員によるミュージアムトークへ行く。

美術館webの解説には、
「1919年、ドイツの古都ヴァイマールに、建築家ヴァルター・グロピウスにより造形学校「バウハウス」が開校され、昨年、その誕生から100年目を迎えました。ナチスの弾圧を受け1933年に閉鎖されるまで、わずか14年という短い活動期間でしたが、実験精神に満ちあふれたこの学校は、造形教育に革新をもたらし、今日にいたるまでアートとデザインに大きな影響を及ぼしています」
とあり、
学芸員さんは、ミュージアムトークの冒頭で
「Bauhauseは、ドイツの優れた造形複合学校だが、先生と生徒ではなく、親方 職人 徒弟 という言葉を使っていて、優れた職人は親方となって次世代をそだてたこと、徒弟たちは、思い切り勉強し、思い切り遊んだ」
と言われ、一気に引き込まれる。
私は、デザインと呼ばれるものは、単に天才的な発想だけでできているものではなく、基礎的な技術の裏付けが無くては成り立たないと考えていて、
技術とは、カリキュラムをこなすだけではなく、親方と弟子という、互いの信頼関係から身に付くという憧れのような思いもある。
だから、バウハウス展への期待は大きく膨らんだ。
さまざまな分野から課題が与えられ、寝る間も惜しみ学び遊び、優れたデザイナーがたくさん生まれている。展示はどのブースも興味深い。
ミュージアムトークが終わったあとも、引き返し、もう一度見直したほどだ。
が、バウハウス好きのひとたちに叱られるかもしれないのだけど、
あまりにも効率的で計算しつくされた形がしんどくなってしまい、会場をでることにした。



だからかもしれないが、そのあとに見た常設展で、漆芸作家の太田儔さんが布目彫蒟醬の技法で籃胎蒟醬茶箱「春風」を作る姿に、心は完全に持っていかれた。
布目彫蒟醬は、1ミリに3本の線を彫るが、ひとりではできないので、呼吸がよくわかったお弟子さんとの作業になる。
最終的には表に見えないかもしれない部分の線にまで神経を張り巡らし、何度も彫り塗り研きを繰り返し仕上げていく。
しかし、その果てしない作業はどれも抜くことができないものだ。

https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/197402
とはいえ、バウハウス展は、是非見ていただきたい。
行く前に、これを見ておくと楽しいかも。

https://m.youtube.com/watch?feature=share&v=oo_BLRSuz7s
■バウハウスとは、第一次世界大戦後にドイツ中部の街ワイマール共和国に設立された、美術学校のことです。
1919年から1933年の14年間、そこでは工芸、写真、デザイン、美術、建築など総合的な教育を行っていました。その歴史は短いながら、その功績は大きく、モダンデザインの基礎を作り、今もなお世界中の建築やデザインなど、さまざまな分野に多大な影響を及ぼしています。
引用 https://bulan.co/swings/about_bauhaus/
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